百人一首は、三部構成?


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百人一首の歌の順番には、意味がある、と、『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』には、書かれています。

一番歌「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ 我が衣手は 露に濡れつつ」から五十二番歌「明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな」までは、日本の国の国柄(くにがら)や気風などをよく表した歌が並び、

五十三番歌「嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る」からは、作者の人生ドラマまで踏み込んで鑑賞する女流歌人たちの詠歌が続いています。

大化の改新によって国の基礎が出来上がり、その後奈良平安時代の約五百年に渡り平和な社会が維持発展させていったのですが、様々な人が努力を積み重ね、日本独自の国風文化を育ててきた過程が、そのまま歌の配列と重なっています

中盤からの女流歌人の歌のところでは、女性たちが実にのびのびと生きている姿が描かれていて、様々な政争があっても、後世から見れば素晴らしい時代であったことが、六十九番歌「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり」で「まるで錦のよう」と喩えられています。

ところが、七十五番歌「契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり」からは、がらりと様相が変わり、古代から続いた美しい時代が終焉を迎え、崩壊し、武家政治が台頭していくさまが描かれていく、と、ねずさんは解説しています。

この流れを、大雑把に頭に入れながら、一首一首味わっていくのも、楽しいと思います。
(参考:『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』)