[十五番歌] 君がため 春の野に出でて 若菜摘む、、


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[十五番歌] 君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ

光孝天皇(こうこうてんのう)

君に捧げようと 春の野原に出て、若菜を摘んでいます。

袖に雪が降るような寒い中で。

というのが、直截的な現代語訳でしょう。

恋の歌に見えます。

恋の歌なのかもしれません。

でも、恋歌の中には、表面的には恋心を詠っているように見えて、実は、抑えきれないほどの強い思いや気持ちを、恋に見立てて詠んでいるものもあります

この歌は、どうでしょう。

「君」は、位の高い人、目上の人、を差す以外にも、男女のこと、ひいては、世の中の全ての人々を意味し、更に、天皇の意味にもかけられることもあるそうです。

イザナギ、イザナミは、私たちの国の最初の神様。天照大神も、この二神から生まれ、その直系の子孫が、万世一系の天皇とされています。

天皇と世の人々(民衆)は親戚、家族という考え方、これを「君民一体」と言います。

国歌『君が代』の君が、すべての人を差していて、「みんなの国が永遠に続きますように」と歌っているように、この歌の「君がため」は、「みんなのために、世の中の全ての人のために」という意味。

「若菜」は、「若者」の意味。

「君がため春の野に出でて若菜摘む」は、「朝廷が、人々の幸せのために野に出て、積極的に若い有能な人を登用する」という意味にもとることができます。

下の句の「我が衣手に雪は降りつつ」は、権謀術数渦巻く政治の世界へ若者を引き込んでしまう悲しみや苦しみ、非情さが込められているのだろう、とねずさんは言います。

そんな読み解き方をすると、この歌が、更に更に深みを増して、胸に迫ってきますね。

(参考:『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』)

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