明治天皇 抜粋4


『新版 明治天皇』(里見岸雄著/錦正社) 抜粋その4
「古来の憲法と明治憲法」、というイメージでしょうか。

この本、明治天皇の御世のことだけではなく、日本の国のありよう、つまり「国体」というものについての考察が深くなされていて、日本の歴史を勉強してこなかった私には、目から鱗です。漠然と感じていたりしていたものが、すぅ~~と心に入ってくるんですよね。

日本の歴史、国体について学びたい人には、本当にお奨めしたい良書です。

—下記引用–

こういう風に見てくると、日本の憲法はどういうことになるだろうか。日本には太古文字がなかった。では、その時代にはどんな憲法があったのか。否、果たして憲法はあったろうか。

日本には、文字による記録歴史の起こる前に、神話、伝承というものがあった。これは八世紀の初頭に編纂された古事記、日本書紀によって、文字として残され、ついで、古語拾遺だの旧事記だの各地の封時期などによって記録歴史以前の貴重な文化財が伝えられた。

これらの資料、および皇室古来の伝統的行事を通してみると、日本の最古の憲法は今日なお依然として存在する三種神器(鏡玉剣)であるといわなければならぬ。それは、皇祖天照大神がお授けになったもので、天照大神の精神を象徴したものとして語られており、しかも、歴代これを絶対神聖として伝持され、一日もこれを欠くことのできぬものとされもって昭和の今日に及んでいるのである。これは世界に全く類例のないところで、日本歴史最大の誇りである。

神器についで、天照大神の神勅神武天皇建国三大綱の如きものが、神話及び史話の中に伝えられていることは、いづれも、記録歴史よりはるかに古い時代から日本には国の根本法すなわち憲法があったという事実を物語るものである。

これらは皆、不文憲法である。文字を持って、これが国の根本法だと示された最古のものは、推古憲法でこれは聖徳太子の憲法、十七条憲法などともいわれる。第三十三代推古天皇の御宇十二年、世紀604年のことであって、書紀に先立つこと百二十二年、これを我が国成文憲法の最初とするが、「和をもって尊しとなす」(第1条)「大事は一人断ずべからず、必ず衆と論ずべし」(第17条)等とくに有名であるが、その精神は今日の時代にも生きている。

これら古代の不文憲法や成文憲法で今日に生きているものは決して少なくないのであり、これを貫史憲法という、推古憲法以後では、奈良の大宝律令、鎌倉時代の貞永式目、徳川時代の禁中並公家諸法度などもみな当時の成文憲法であった。(102-103ページ)

この重大なる時勢に対処せられた明治天皇は、五箇条御誓文において「我国未曾有の変革を為さん」とも「天地神明に誓い」とも仰せられたが、以上に述べたような近代憲法を制定することは、まさにその未曾有の変革の中心をなす大業でなければならぬ。しかも天皇は、いたずらに欧米各国のいわゆる進歩に眩惑せられることなく、よく我が貫史憲法の厳として存することに想い及ぼされ、すでに述べたとおり、二大基準を親定されて国権起草を命じたまい、輔弼の臣僚又最善を尽くして、ついに堂々たる帝国憲法と皇室典範を制定せられ、明治二十二年二月十一日、厳粛盛大なる憲法発布の大典を挙行せられた。(104ページ)

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