天皇陛下は、どうして稲刈りをなさるの? ~神嘗祭、新嘗祭~[#30]


今日は、天皇陛下の稲刈りのお話だよ。

9月13日に天皇陛下が稲刈りをなされたというニュースがあったよね。
これは、2000年以上も続いている日本の大切な行事なんだ。
天皇陛下が、趣味でお米を育てていらっしゃるわけではないんだよ。

この日天皇陛下は、100束もの稲穂を、機械ではなく、手で刈り取られたのだけど、この日収穫されたお米は、10月17日に伊勢神宮で行われる神嘗祭で天照大神に奉納されるんだ。

収穫された初穂を天照大御神にお供えし、五穀豊穣を感謝する、伊勢神宮のお祭りの中でも一番重要なお祭りなんだって。
それは、どうしてかっていうと、

天孫降臨でニニギノミコトが天下る時に、天照大神が ゆにわの稲穂を渡して、これ(稲作)によって、日本を栄えさせなさいという言葉を与えられた 、いわゆる「 由庭稲穂(ゆにわのいなほ)の神勅 」が、日本書紀という歴史書に書かれているのだけど、それを、今に至るまで、歴代天皇がずぅ~っと実践されているんだ。
「また勅して曰(のはま)はく「吾が高天原(たかまがはら)に所御(きこしめ)す斎庭(ゆにわ)の穂(いなのほ)を以て、また吾が児に御(まか)せまつるべし」

「高天原で育てられている神聖な稲穂を我が子に与えます。」

その稲穂を撒(ま)いて地上で稲作をしなさい、という意味なんだけど、高天原でも稲を育てているっていうのが、いいよね。地上で行われている事は天上でも行われているんだ。

また、11月23日に、宮中で執り行われる新嘗祭(にいなめさい)は、収穫された初穂を天照大御神はじめ天神地祇(てんじんちぎ)、天つ神(あまつかみ) や 国つ神(くにつかみ) 、つまり、すべての神々にお供えし、五穀豊穣を感謝したあと天皇陛下も初穂を召し上がりなるお祭りなんだ。
新嘗祭が終わるまで、天皇陛下は新米をお召し上がりにはならないんだよ。僕たちは、さっさと食べちゃうのにね。

日本は瑞穂の国だと言われるけれど、それは、天照大神から、ニニギノミコトが、地上に降りてお米を育てて日本を反映させなさいと命じられ、ニニギノミコトは一生懸命 稲を育てた。それが、今に至るまで、ずうぅ~~と、天皇陛下の大切なお仕事として続いている。
そして、そのお姿を見て、僕たち国民は、天皇陛下に敬愛の情を抱いてきたんだね。

そういえば、百人一首の第一首も、天智天皇が御自ら、粗末な庵で、刈り入れのすんだ藁を編んでいらっしゃるという御歌だよね。

秋の田の刈り穂の庵のとまをあらみ 我が衣手は露に濡れつつ

なんか、悠久の歴史を感じる話だよね。