萬葉集は、壬申の乱の時代の日本の精神文化と歴史を描いた側面もあるんですって。


萬葉集に沢山の歌が収められている柿本人麻呂は、神の如しと言われ、評するのは畏れ多いと評価対象から外された程の天才歌人と言われています。

彼が生きた時代は、壬申の乱という、それまで起こったことのない大変な内乱が起こった時代。

萬葉集の前半の方には、未曾有の困難の中、どのような精神でその時代の人々が生きたのか精神が詠われていると、最近、とある本で読みました。

私たちの国の精神風土というか文明を後世に伝えるために作られている側面もあるそうです。

単なる文芸ではなく、当時を生きた草莽の人々の慟哭等から時代を映し出している。歴史書という側面を大切に考えなければならないそうなのです。

そう教えてくれているのは、

昭和の大戦が始まる直前に、萬葉集の研究を世に送り出した保田與十郎さんなのですが、保田さんは、これから大変な戦が始まる、それを乗り越えるために、古来からの精神を、心の支えにする必要があり、また、古の日本文明が、言いようのないくらいの高度な文藝や精神風土を生み出していたことを、後世に正確に伝える必要があると感じて、『萬葉集の精神』を書いたそうです。

読んでいると、すごい気迫を感じます。

国家が滅亡するか否かという、のっぴきならない局面に立たされた時、その時々で、私たちの国の古来からの歴史文藝を、正しく伝えようとする人が現れてくるのですね。有難いことです。

それにしても、敗戦後、断ち切られてしまった日本の文化文明を紡ぎ直そうと、沢山の方が努力をし、書物にされています。

だけど、そういう貴重な書物は、なかなか私たちの目には価値あるものに映らないし、知らずに通り過ぎてしまう。受け取る側の私たちに、知識がなさすぎなのですね、多分。

保田與十郎さんの『萬葉集の精神~その成立と大伴家持』の前書きを読めば、心洗われ、深い感銘を受けますし、

平泉澄さんの『少年日本史』の前書きは、涙が流れます。

他にも、本当にたくさんの方が、国を憂え、日本文明の気高い精神を取り戻そうと、伝える努力をして下さっている。

私たちがやるべきことは、他人の言動に目くじらを立てる卑しい心を引っ込めて、良質の解説の元に、古典を学ぶことだろう、強く思います。

そうしないと、上っ面な言葉だけが、空気を彷徨い続けて、なんとも情けない、貧相な、悪口と誹謗中傷が跋扈する卑しい国に成り下がってしまいますよね。

『万葉集』にある歌が詠まれた時代について 学ぶのもいいかもね。
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