[六十九番歌]「三室の山」は神々が降臨する山


嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり

能因法師(のういんほうし)

この歌は、後冷泉天皇の時、宮中で行われた歌合せの席で詠まれたものと、『後拾遺集』に書かれているそうです。歌合せというのは、宮中で開かれる催しで、歌人たちが左右にわかれてテーマに沿って歌を詠み、その出来を競うというものです。

能因法師は、近江守(おうみのかみ)橘忠望(たちばなただもち)の子で、俗名を橘永愷(たちばなながやす)といいました。

平安時代の大学で漢学と算術を習い、特に優秀な生徒だけが選ばれる文章生(もんしょうせい)となった大秀才だったそうです。

この歌合せでは、「紅葉」というお題で競いました。

宮中の歌合せで詠んだ歌ですから、当然のことながら、実際に景色をみて詠んだ歌ではないと思われます。

素直に解釈すると

山の嵐に吹き散らさえた三室(みむろ)の山の紅葉の葉は、ふもとを流れるこの竜田川を、まるで錦のように豪華に染め上げています。

川に真っ赤に染めあがった紅葉がたくさん流れてきて、錦のように川を染め上げている美しい情景が目に浮かびますよね。

この意味だけでも十分に素敵なのですが、

もう少し突っ込んで読み込んでみると、こんな見方もできるそうです。

三室(みむろ)山というのは、奈良県生駒市にあります。

・三室山と龍田川

Wikipediaよりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/三室山_(斑鳩町))

三室山は、神南備山(かむなびやま)といって、神々が降臨する山とされていました。

神々が降臨する三室山は、「朝廷」を指していて、吹き荒れる嵐からは「政乱・政争」が連想されます。

そんな政乱でさえ、絢爛豪華な錦と同じだね、という意味にとることもできますよ、と。

こういう意味をくみ取るためには、当時の情勢について知らないと、どうしてそうなるのか、わかりませんよね。

能因法師は、26歳で出家したという話ですが、どうしてそんなに早く?いったい何があったの?とか、

どうして、この歌が選ばれたんだろう、とか、

この直前の六十八番歌は、三条院の歌だけど、三条院は政治権力の圧力で退位を余儀なくされた、その時に詠まれた歌が、六十八番歌の

心にも あらで憂き世に長らへば 恋しかるべき 夜半のつきかな

その次がこの能因法師の歌。

ってことは、う~~ん。。。

ってな感じで、当時の様子を調べたり、ものの本を読んで、あれこれ考えたりするのも、楽しいですね。


■かるた取りのテクニック(#^^#)

[分類] 五色百人一首 青

[ワンポイント] 青札の中で、「あ」で始まる上の句は、4つあります。

  • あしびきの~
  • ありあけの~
  • あらしふく~
  • あさぼらけ~

「あら」と詠まれたら、「竜田の~」を取りましょう♪

平成30年8月開催予定 第3回小学生百人一首大会
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