[三十一番歌]朝ぼらけ有明の月とみるまでに、、 は情景歌といわれるけれど、、


朝ぼらけ 有明の月と みるまでに  吉野の里に 降れる白雪

古今集 / 坂上是則(さかのうえのこれのり)

坂上是則(さかのうえのこれのり)は、征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)のひ孫(曽孫)。

ひいおじいちゃんの坂上田村麻呂は、「文の菅原道真、武の坂上田村麻呂」と言われた武人です。

この歌は、坂上是則が、地方のお役人に任命されて大和に向かう途中、吉野の里で詠んだとされています。

吉野の里に降っている白雪が、まるで明け方の月の光と見間違うほどです。

この歌は、李白という唐の詩人の漢詩が元歌になっています。

その元歌を読み下し文は、

しょうぜん月光をみる

疑うらくはこれ地上の霜かと

頭(こうべ)をあげて 山月をのぞみ

頭をたれて 故郷をおもう

李白が妻の実家にいた時に、自分の故郷を思ってよんだ歌とされています。

似てますよね☺

坂上是則(さかのうえのこれのり)は、何を思って、この歌を詠んだのでしょう。

吉野の里に積もった白雪の美しさを詠んだ、ただそれだけなのでしょうか。

それだけなら、いくら素晴らしい叙景歌(じょけいか=景色を詠んだうた)でも、百人一首に集録されるかなぁ、、、

と、考えてみるのも楽しいですよね。

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』という本では、こう読み解いています。

坂上是則(さかのうえのこれのり)は、新しい赴任地、大和に行く途中の吉野で詠んでいます。大和は、昔は都があったのですがこのときはただの田舎。そこに征夷大将軍という武家の子孫である作者が赴く。都落ちかもしれません。

ただ、たとえ都落ちであっても、理不尽な人事でも、決まったことには粛々と従い任地に赴く。そこで誠意を貫き職務を全うしようという決意が込められている、そういう風に考えると、三十六歌仙の一人に選ばれたほどの和歌の達人である坂上是則(さかのうえのこれのり)は、の歌が、百人一首に選ばれたのだろう、と。

なるほどなぁ、、、

と思います。

和歌が作られたときの様子に関心を向ける。

そうすれば、31文字の言葉が、より生き生きとより深い味わいが出てくるのですね。


★かるた取りのポイント

「あさぼらけ」で始まる歌は2つありますが、青札ではこの歌だけです。

「あさぼらけ」と聞いたら「よしののやま」を取りましょう。

ちなみに、百人一首の中で「あ」で始まる札は一番多くて、16枚あります。


★参考文献

平成30年8月開催予定 第3回小学生百人一首大会
「青札一覧」 
青札にある20首の歌について、意味など知ってほしい事柄を書き綴っていきます。 書いたものから、順次リンクを張っていきますね。 ...
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