橋本左内『啓発録』の5つの項目に学ぶ


『啓発録』の序文に見る 橋本左内(はしもとさない)
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橋本左内(はしもとさない)の『啓発録』の序文について書きましたが↑

ここでは、本文に書かれてある5つの項目についてお話しますね。

『啓発録』を書いたとき、左内は15歳でした。☺

1.稚心を去る

稚心というのは、幼な心という意味。

幼年期に親や大人から許されている幼な心、

遊び心や食べ物に対する我儘(わがまま)

怠け心

甘え心

を自分の意志で捨て去って、

高い目標を目指し責任ある言動をとるようにすることです。

大学の入学式に親が付き添う、なんていうのも、幼心と言えなくもないですね。

この幼な心、稚心を取り除かなければ、士気は振るわない。

これが、侍の道への入り口である。

自分が15歳の時に考えていたことと照らし合わすと、穴に入りたくなります。(^-^;

2.気を振う(ふるう)

「気とは、人に負けぬという気持ちで、恥を受けることを無念に思うところから出てくる意地」をいうもので、

「振うとは、それを心にとどめて絶えず奮い起こし、くじけないようにすること」

だと言っています。

両刀を腰に帯びた武士に、世間が無礼を働かないのは、武芸や力量やその地位役柄を怖れているのではなく、この士気に対するものだから、武士はこの士気を奮い立たせて、人の下に安んぜぬことを忘れないことが肝要である。

そして、太平が続いて、士道が衰え、すべてに弱弱しくなり、他人にこびへつらうようになって、武道を忘れ、地位とか女色とか利とか勢力に執着するようになった。

そこには勇も義も見られず、謀略も不足するようになった。

と言っています。

なんだか、今の世の中のことを言われているみたいですね。

その上で、左内は

気のみ奮い立つだけで「志」が立たないとき、つまり何のためにという目標がはっきりしないときは「氷が解け、酔いがさめるように、元にかえってしまうことがあるから、気が振い、やる気が起こったなら、志を立てること、すなわち目的をしっかり立てて、絶えずそれを見つめて努力する覚悟を持つことが大切だ」

と言っています。

3.志を立てる

左内は、「志は、我が身を大事にして弓馬文学の道に達し、古代の聖賢君子・英雄豪傑のようになり、君の御為に働き、天下国家の利益になるような仕事をし、親の名も揚げようと思った者」に湧いてくるもので、それは書物の中から感銘を受けて出てくるか、何事かにぶつかって発憤した時に生まれてくるもので、平成無事な安楽に過ごして、それに安んじているときには生まれるものではない。

だから「志を立てる」というのは、「心の向うところをしっかり決めたら、一心にそのことを思い詰め、いつもその心持を失わぬこと」であって、その志を立てたならば、目標に向かって段階的にそれに近づくように毎日努力していくことが大切で、目を移してはならない。

この志の立っていない者は虫けらも同然だとまで言っています。

そして、

「志を立てる近道」として

「経書や歴史の中で心に響いたことを、書いて壁に貼ったり、扇に書いたりして、日夜朝暮それを眺め、それに及ぶことを楽しみにすることが大切で、その志が立ったならば、それに関する学に勉めることが最も大切であり、その努力をしなければ退歩してしまう」ものだ。

4.学に励む

学、とは、知識を増やすためと思っている人も多いと思いますが、左内は学を、知識を増やすことではなくて、見識を広め、実践の根拠になるものだと言っています。

「学とは先人の善行・善業を学び身につけることで、詩文や読書ではない」

「学は実務に活用できなければ意味がなく、知識を明らかにし、心胆を練ることが肝要で、忍耐努力が必要である」

5.交友を択ぶ(えらぶ)

友人は大切にしなければならないですが、その中でも益友を択び尊んで積極的に何でも相談していく、つまり良友の力を借りることが「学に勉める」上で大切

損友に対しては、これを避けるのではなく、自分の持っている力でその正しくない点を改めさせて正道を踏ませることが、友人としての道である。

益友、つまり自分を向上させてくれる友人とは、争友ともいわれるように、自分と異なる優れた点を持っていて、時には争うことも出てくるが、それを理解して、積極的に交友を進めなければならない、誰でも気遣いのいらない交友の方が楽しいものであるけれど、志を遂げるために自分を向上させるには、その争友を択んで交わる、気遣いを乗り越えていくことが大切である。

具体的に

益友とは次の5種類の性格の人

剛正毅直(ごうせいきちょく)すなわち厳格で意志が強くて正しい人

温良篤実(おんりょうとくじつ)すなわち温和で人情厚く誠実な人

豪壮英果(ごうそうえいか)すなわち意気壮大で果断な人

邁明亮(しゅんまいめいりょう)すなわち才智がずば抜けており明るく爽やかな人

闊達大度(かったつたいど)すなわち小事に拘泥せず度量が広い人

この5つは、左内が自分に欠けていて身につけなければならないと努力していたものだそうです。

損友とは

・佞柔善媚(ねいじゅうぜんび)すなわち人にへつらい媚びる人

・阿諛逢迎(あゆほうげい)すなわち人の気に入る努める人

・浮躁辨慧(ふそうべんけい)すなわち落ち着きがなく小利口な人

・軽忽粗慢(けいこつそまん)すなわち軽々しくいい加減な性質の人

こういう人たちは、人当たりがよいので、一般の人たちからは、頭が良いとか人柄がよいとか褒められるが、将来 聖賢豪傑(せいけんごうけつ)といわれるような一流人物を目指す者にとって、どちらを択ぶかは当然明白であろう。

この5つの項目を、自分の啓発すべきもの、少年が学に入るときの条件と思って書いた、と左内は、『啓発録』の「あとがき」で述べています。

参考)
『福島新樹会創立25周年記念 渡邉五郎三郎代表幹事講義要録集 私達の「人づくり」「國づくり」』


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『啓発録』の原文+口語訳が紹介されているページがありました。↓

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