[海軍さんの歴史教科書]序説を読んでみよう


序説

我が国体の本義

我が大日本帝国は、万世一系の天皇が、皇祖天照大御神の神勅のままにこれを統治あらせられる。この我が国体の本義は、皇祖肇国の古から年とともに光を加え、未来永遠にわたってかわることがない。即ち上御歴代の天皇は、皇祖肇国の御精神を承継し給ふて、くにを納め給ふこと家の如く、民を慈しみ給ふこと子の如くあらせられ、下国民は祖先の遺風を継いで、常に衷心から皇室を敬い、忠君愛国の誠を致し、国は一家をなし君民は一体である。かくて国運はいよいよ進展して今日の隆昌を見ることとなり、永遠にその窮(きわ)まるところを知らない。

国体と国史

我が国史は、この尊厳無比な国体を中心として、絶えず進展してきた皇国発展の姿である。したがって我が国史には各時代に推移変遷の跡はあっても、それを一貫して肇国精神が流れている。古来東西に幾多の国家が興亡したが、いづれも革命や衰亡によって断続した国々に過ぎず、たとえ建国の精神はあっても永続したものがなく、その歴史は我が国史と大いに性質を異にする。これ我が国史が世界無比なゆえんである。

国史学習の意義

されば我等国民は国史を学ぶことによって、歴代天皇の御偉業を仰ぎ、祖先の残してきた事蹟を偲び、国史のうちに脈々として流れる肇国の大精神を知り、もって我が国体の尊厳を理解しなければならない。しかして更に広く我が国をめぐる世界各国の動向を顧みる時、我が国史は一層燦然(さんぜん)として輝き、忠君愛国の至誠はますます高められ、我が国現在の歴史的使命たる世界新秩序建設に尽くそうとの覚悟がいよいよ固められるのである。

帝国海軍軍人と国史

今や我等国民は大詔を奉戴し、大東亜戦争の真っただ中にある。この戦争を完遂するためには、肇国以来の大理想たる八紘一宇の精神を宣揚し、神武を発揚して大東亜共栄の実を挙げなければならない。世界の歴史において独り我が国だけが神代以来、皇祖肇国の大精神に基づき、不断の進展を続けてきたことは、わが国こそ大東亜、否、世界の新秩序の中心であり、また、中心であらねばならないことを教えている。帝国海軍軍人たる我等は、今こそ国史の教えるこの事実を深く顧み、忠誠奉公の決心をいよいよ強固にしなければならない。

国体の精華(今上天皇御即位式の勅語)

皇祖皇宗 國(国)を建て民に臨むや 國をもって家となし 民を視ること子の如し
列聖相承けて 仁恕(じんじょ)の化下に洽(あまね)く
兆民(ちょうみん)相率いて 敬忠の俗 上に奉し 上下感ぶ
君民體(からだ)を一にす
是れ 我が國體(国体 こくたい)の精華にして
當(まさ)に天地と竝び(並び ならび)存すべきところなり

八紘一宇と世界新秩序の建設(日独伊三国同盟条約締結にあたりて賜りたる詔書)

大義は八紘に宣揚し 坤與(こんよ)を一宇たらしむるは
実に皇祖皇宗の大訓(たいくん)にして
朕が夙夜眷眷(しゅくやけんけん) 惜しからざるところなり
而(しか)して 今や 世局は其の騒乱 底止(ていし)するところを知らす
人類の蒙(こうむ)るべき禍患(かかん) また将(まさ)に測るべからざるものあらんとす
(中略)
惟(おも)うに 萬邦(万邦 ばんぽう)をして 各々(それぞれ)其のところを得しめ
兆民をして 悉(ことごと)く 其の堵(と)に安んせしむるは
曠古(こうこ)の大業にして 前途 甚(はなはだ)だ遼遠(りょうえん)なり
爾(なんじ)臣民 益々(ますます)國體(こくたい)の観念を明徴(めいちょう)にし
深く謀(はか)り 遠く慮(おもんぱか)り
協心(きょうしん)りく力 非常の時局を克服し
以て天壌無窮(てんじょうむきゅう)の皇運を扶翼せよ
語彙
※八紘一宇 – 『日本書紀』の「八紘(あめのした)を掩(おお)ひて宇(いえ)にせむ」から、世界中の人がみな家族のように仲良く暮らしましょうという意味。
坤與(こんよ)–「易経」説卦の「坤を地と為し、母と為し、…大輿と為す」から》大地を大きな輿(こし)にたとえた語。地球。大地。
夙夜(しゅくや)–朝から晩まで、一日中
禍患(かかん)–災い
曠古(こうこ)–今までに例のないこと、未曾有の、前代未聞の、
※明徴(めいちょう)–証拠に照らして明らかにすること
天壌無窮(てんじょうむきゅう)–天地とともに永遠に極まりなく続くさま

(練習兵用歴史教科書  海軍省教育局 昭和19年5月)


~Columm~

文字打ちにあたって

教科書は、昔の漢字や仮名遣いになっています。現代の漢字や読みにしている部分と、昔の漢字のままにしているところと、統一感はないかもしれません。昔の漢字でも知っていてほしい漢字は敢えて昔の漢字で書いています。どうしても読めない字や活字に見当たらない字は、適宜ひらがなで書いたりしています。この辺の大雑把さは、私の性格のなせる業なので、お許しくださいね。

感想

先の対戦で負けたのち、GHQから日本の歴史や偉人の話、皇室の話、神道についてなど、教えてはいけない、と強制された時期がありました。そのことが根底にあって、今を生きる私たちは、自分の国の歴史、正史を教わらないままにきています。
また、戦後アメリカによって、日本にはじめて民主主義が広がったように思っている人も多いと思われます。
この序説を読み始めると、これが皇国史観というものなのかな、天皇の歴史なのかな、と思ったり、ちょっとギョッとして少なからず拒絶反応を感じる心もあるように推測します。
だって、学校で教わってきた日本の歴史、なんか変だぞ?と思って色々と調べている私ですらちょっと、うっ!となる気持ちがないわけではないですもの。
でも、それは、最近あまりに先人に対するバッシングが世に蔓延してしまっているせいで、知らないうちにその影響を受けている部分もあるでしょう。そのような気持ちは、ちょっとわきに置いておいて、とにかくこの歴史書は読み進めてほしいと願います。
なぜなら、この歴史の教科書を読めば、日本がどういう国なのか、国の始まりの話、時代時代の状況や人々の思い、天皇と国民との関係、先祖代々大切にしてきた価値観などが、とてもよくわかり、素直に心に入ってくるのですから。少なくとも、私はそうでした。
もう一つ、心に留めておいた方がいいなと思うのは、この教科書が作られたのは昭和19年です。敗戦が昭和20年です。戦いが厳しさを増していく中で、家族を守り、国を守ろうとした若者が、しっかりと学んでいたという事実と、戦いに勝つため、気持ちを一つにするために、日本は天皇を中心とした国家であり、天皇と国民は父と子の関係、家族なのだということを、改めてしっかりと国民に理解してもらおうと教育を行っていた。その視点も考えあわせて読み進めると理解が一層深まるのではないかと思います。
日本は万世一系の国柄。
それを、史実や誰もが知っている『日本書紀』等歴史書などをもとに、14~15歳の少年に向けて書かれた素晴らしい国史です。
一人でも多くの方に、このすごさを感じていただきたいと願っています。  (渡部幸子)
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教科書から消えた言葉。GHQによる「ダメ!」↓