5月3日の憲法記念日のことを書いたときに、日本の国柄を知ることの大切さに触れたよね。
日本の国柄(くにがら)って、なんのこと?
って、不思議に思う人もいると思う。
だって、あんまり聞かないし、
そもそも、なんて読むんだろう、、って、ね。
かくいう私も、この言葉を知ったのは、
ここ4~5年位の事だと思う。
お恥ずかしながら。。
日本最古の成文法「十七条憲法って」誰が作ったの?
十七条憲法を読むと、「あれっ?」って思うかもしれない。
これって、僕たち、私たちが、
常日頃大人に言われたりして、
おじいちゃんやおばあちゃんなんかから、
「そういうものなんだよ」「そうあるべきだよ」と
言われていることじゃん、って。
十七条憲法は、
表面的には、お役人さん、官僚の心構えを示したもの、
ともいえるけれど、
実は、誰にでも当てはまる、道徳規範でもある、と思う。
聖徳太子は、どうしてこの憲法を作ったんだろうね。
その頃の国際情勢は?
「十七条憲法」は、
604年、聖徳太子が29歳の時に制定されたんだ。
聖徳太子が15歳の時、
大陸では隋が大帝国となっていました。
300年以上混乱していた中国が、
強大な帝国として統一されたんだ。
強大な力をつけた「隋」は、その力を世界に及ぼし、
「隋」中心の国際政治が生まれて、
百済や高句麗など、朝鮮の国々は、
すぐに隋に朝貢し、隋の家来になったの。
聖徳太子も
摂政になって数年後の26歳(600年)の時に
隋に使節を送ったけれど、
家来にはならなかったんだ。
「遣隋使(けんずいし)」って聞いたことあるかな?
家来になるのではなくて、
日本の国を強くして、
みんなでまとまって、
大和朝廷の政治の力を高めて、
国を守ることを選んだんだ。
天皇を中心とした国造りを行なったんだよ。
それを具体的な形にしたのが、
603年の「官位十二階」
と
604年の「十七条の憲法」
なんだ。
官位十二階ってなに?
簡単に言うと、
天皇が役人の位を決めて、
位を授けること。
それまでは、家柄重視だったんだけど、
これによって、
その人の実力を天皇が見極めて政治のリーダーを選ぶようになったんだ。
この時、聖徳太子は28歳だったんだよ。
驚きだね。
十七条憲法って、なに?
聖徳太子は、
この改革を行なっているときは、推古天皇の摂政だったんだ。
聖徳太子は、考えたの。
実力のあるリーダーを集めたら、
次は、その人たちに政治の正しい考え方や心構えを教え、
まもらせようって。
リーダー達が立派でなければ、日本は立派な国にはなれない。
そう考えたんだ。
それで、作ったのが、「十七条憲法」なんだよ。
「十七条憲法」を、わかりやすく直して、短くすると。。
1)和を以て貴しと為し、忤(さか)ふること無きを宗とせよ。人皆党(たむら)有り、また達(さと)れる者は少なし。
うっ、、
ちょっと難しい、駄目だぁ。。
なんて思わないで、
最初に、有名な言葉がきているのをお知らせしたかっただけ(#^^#)
「和をもって貴しとす」
有名だよね。
この言葉にも、日本の国柄が現れていると思うよ。
ほら、神代の昔から、、
そう、神話に「あまの岩戸」のお話があるけど、
知っているかな?
太陽の女神さま「アマテラス大御神(オオミカミ)」様が、弟のスサノオノミコトがあまりに乱暴者で、困り果ててしまって、岩戸にお隠れになってしまって、世の中が真っ暗になってしまったという神話。
この時、アマテラス大御神様に、なんとか岩戸から出ていただこうと、神様たちが、こうしたらどうだろう、ああしたらどうだろう、と意見を出し合って、会議しているんだよね。
このお話は『古事記』という本にかかれているんだけど、
神代の昔から、みんなで会議して決めてたなんて、なんとも日本っぽいなぁ、、と思う。
ちょっとずれてしまったけど、
こんな精神も、日本の国柄を示すものだと思うんだよね。
話がずれたついでに、
明治政府が新しく発足するにあたって
明治天皇がお示しになられた
「五箇条の御誓文(ごかじょうのごせいもん)」の第1条にも
一、廣(ひろ)ク會議(かいぎ)ヲ興(おこ)シ萬機(ばんき)公論(こうろん)ニ決(けっ)スヘシ
と、「みんなで話し合って決めよう」って書いてあるんだよ。
なんだか、すごいでしょ。
これが、「日本の国柄」の一つだと思うんだ。
1)和を尊んで、仲良く助け合い、人と争うことのないようにしなさい。そうすれば、政治が正しく進められます。
2)仏(仏教)の教えを大切にしなさい。そうすれば、正しい政治が行われます。
3)天皇のお言葉には、必ず従いなさい。そうすれば、國はまとまって発展できます。
4)リーダーこそ、礼儀正しくしなさい。そうすれば、下の者がそれにならいます。
5)富める者にも、貧しきものにも、公平な政治を進めなさい。
6)悪をこらしめ、善をすすめる政治をしなさい。それがない国は、滅びます。
7)家柄や身分ではなく、その人の実力にふさわしい仕事を与えなさい。
8)国づくりの仕事には暇がない。朝早く役所に来て、夕方遅くまで仕事をしなさい。
9)口先ではなく、嘘いつわりのない真心の政治を進めなさい。
10)意見が対立しても、国を思う気持ちは同じです。まずは、自分が間違っているのではないかと考え、人の話をしっかり聞いて、正しい道を見つけなさい。
11)手柄を立てたら、必ず賞を与え、間違いを犯したら、必ず罰を与えなさい。そのけじめがしっかりすれば、国はまとまり発展します。
12)国の中心は、天皇ただ一人です。税は朝廷(天皇)だけが集めるようにしなさい。
13)リーダーは、お互いの仕事を知り、いつでも代われるようにしなさい。
14)リーダーは、人をうらやんだり、ねたんだりしてはなりません。
15)国のリーダーは、自分のすべてを国のためにささげなければなりません。
16)民衆こそ国の宝です。彼らが忙しいときに、国の仕事をさせてはいけません。
17)国の大事は、一人で決めてはいけない。大勢が話し合えば、智慧(ちえ)が集まり、必ず正しい道が見つかります。
これらの条文ひとつひとつが、今私たちが聞いても、そうだよなぁ、、って思うことだよね。
これが、私たちの国、日本の国柄を表すものだと思うの。
70年前に日本が戦争に負けて、
GHQが作って押し付けてきた現憲法「日本国憲法」には、
こういう、私たちの国柄が、全く入っていないの。
だって、日本が強い国に戻ってほしくなくて、
日本を壊したくて、無理やり押し付けた憲法なんだから、
当然といえば、当然だよね。
今、憲法を変えよう、とか、
変えちゃいけない、とか、
色々と議論が出ているけれど、
自分たちの国のルールは、自分たちで作るのが、普通だと思うんだ。
そして、
作るためには、私たちの祖先が、
神様の御代から、2600年以上も、
連綿と受け継いできた私たちの国、日本の国柄を、
学び直し、見つめ直すことが、とても大切だと思う。
聖徳太子の和歌が万葉集にあるって、知ってた?↓
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