8月は、他の月にもまして、戦争で亡くなった方々に想いを馳せてしまいます。
彼らが命を懸けて守ってくださったおかげで、今の私たちの生活があるのですよね。
若尾達夫命 22歳
出撃の前夜
心はいつもと少しも変らぬ平静です。
自分の今の心境は、ただ必沈(ひっちん)あるのみです。
今米鬼(べいき)の攻撃を目の前に見て、士気愈々(いよいよ)旺盛なり。
最後の飛びたつ飛行場は九州の最南西端知覧飛行場です。
ここから600キロ飛んで沖縄に行き、敵艦上(てきかんじょう)に突っ込みます。
勿論帰路のガソリンはありません。
もし敵艦が見つからなかったならば、島でも、敵陣地でも敵の居るところに突っ込む覚悟であります。
達夫は、最後まで元気で御国のために喜んで散華(さんげ)していきます。
では、くれぐれもお体大切に、達夫の分まで永生きしてください。
身はたとへ 愛機と共に 砕くとも 魂永遠に 国ぞ護らん
若桜 春をも待たで 散りしゆく 嵐の中に 枝を離れて
ご両親様
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『父上さま母上さま~桜を恋うる英霊の声』(神社新報社)より
数日前、久しぶりに靖国神社に詣でました。
神社の境内に吹く風は、いつもとても清々しくて、心が洗われるのを感じます。
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