上に立つ者の道 32箇条 :岩澤正二


安岡正篤先生に師事された方の中に、岩澤正二(いわさわまさじ/1913-2007年)という人がいました。

マツダ株式会社の相談役をされた方ですが、住友銀行頭取時代に各地に赴任する支店長に与えた「上に立つ者の道 32箇条」というものがあります。

経営者の方々の間では有名な訓示だそうですが、経営者ではない人でも、日々の生活の中で自己点検の基準にしてみる習慣をつける人が、ひとりまた一人と増えれば、世の中が良い方向に変わっていくのではないかと思います。

上に立つ者の道 32箇条

1.むかう所を明瞭に示せ。

2.信を他の腹中に置け。

3.虚心担懐、光風霽月(こうふうせいげつ)、是(ぜ)を是とし、非を非とせよ。

4.褒める時褒め、叱る時叱る。忘れたり、遠慮したりするな。

5.権謀(けんぼう)は無策に劣る。功詐(こうさ)は拙誠(せっせい)にしかず。

6.功は部下に推し、責めは身に引け。

7.金銭に恬淡(てんたん)たるべし。

8.自然に導くを得ば、上の上なり。

9.己に薄く、人にあつく、己に厳に、人に寛なれ。

10.長所を見て人を使え。人は誰しも長所を有す。

11.愚痴と、立腹と、厭味とは人の上に立つ者の大禁物。いいたきことあるも堪え得る雅量あるべし。

12.為すべきことを為すために、いかなる情実も、いかなる困苦もこれを排し、断固としてなすべし。

13.みだりに難きを責むるな。ただし、泣いて責むべき場合もあり。

14.自分がまず研究して確信を得よ。

15.広く意見を徴すべし。部下の話は熱心に聞け。

16.部下の人事に熱心なれ。人の世話はよくしてやれ。

17.その労するところを知り、よくこれをねぎらえ。

18.寡黙重厚(かもくじゅうこう)。従容自若(しょうようじじゃく)。眼眸厳正(がんぼうげんせい)。挙止端正(きょしたんせい)。

19.よく休ませ得る者は、よく働かせ得るものなり。

20.人のことをわがこと程に思え。

21.努めて失意逆境にある人をひきたてよ。

22.自他の職域を守り、これを尊重せよ。

23.知らざることは、あくまで知らずとなせ。

24.少なく言い、多く行え。

25.絶えず研究して、一歩先んぜよ。

26.小疵(しょうし/小さな失敗)をもって大功を没すべからず。

27.部下に威張るな。部下の機嫌をとるな。至誠一貫、正々堂々。

28.外柔内剛、柔らかくとも一節あれ。

29.事をなすには、腹をきめてかかれ。

30.上に立つ者は部下をして己の最大の保護者たることを感ぜしめよ。

31.自分一人にて事をするな。任せて人を使え。ただし監督を怠らば、仕事をする人に張り合いがなくなる。

32.象徴を高く掲げ、衆心一致、精神の統一をはかれ。中心の引力はあらゆる手段をつくして強固ならしむべし。

参考)

『上に立つ者の人間学』(渡邉五郎三郎著/福島新樹会刊)

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