三島由紀夫が西郷隆盛について書いていた言葉にグッときました「人の信にこたえるとはなにか」


朝顔

西郷隆盛は、南洲と号していました。

西郷隆盛亡き後、庄内藩の志士たちが南洲の教えを書き記し全国に広めたものが、『南洲翁遺訓』です。

西郷隆盛の高潔な生き方は、当時の人々のみならず後世の人々にも大きな影響を与えました。

まさに日本人が鏡にすべき精神そのものなのですね。

今、この南洲翁遺訓の素読を動画で紹介しているので、そちらも是非ご覧いただきたいのですが、素読をしている『人間学南洲翁遺訓』(渡邉五郎三郎先生著)の中で、三島由紀夫が西郷隆盛について書いている内容を、ご紹介したいと思います。

「西郷さん、明治の政治家で今もなお”さん”づけで呼ばれている人は貴方一人です。

その時代にときめいた権力主義者たちは、同時代人からは畏敬の目で見られたかもしれないが、後世の人たちから何らなつかしく敬慕されることはありません。

あなたは賊として死んだが、すべての日本人は、あなたを最も代表的な日本人とみています。

・・・・

恥ずかしい事ですが、実は最近まであなたがなぜそんなに偉いのか、よくわからなかったのです。

・・・

私は貴方の心の美しさの性質が分からなかったのです。

それは私が、人間という観念ばかりに捉われて、日本人という具体的問題に取り組んでいなかったためだと思われます。私は貴方の心に、茫漠たる反理性的な者ばかりを想像して、それが偉人の条件だと考える日本人一般の世評に、俗臭をかぎつけていたのです。

しかし、あなたの心の美しさが、夜明けの光のように、私の中ではっきりしてくる時がきました。時代というよりも、年齢のせいかもしれません。とはいえ、それは日本人の中にひそむもっとも危険な要素と結びついた美しさです。この美しさをみとめる時、われわれは否応なしにヨーロッパ的知性を否定せざるを得ないでしょう。

貴方は涙をしっており、力を知っており、力の空しさをしっており、理想の脆さをしっていました。それから責任とは何か、人の信にこたえるとは何か、ということを知っていました。

知っていて行いました」

「三島くん、おいどんはそんな偉物ではごわせん。人並みの人間でごあす。敬天愛人は凡人の道でごあす。あんたにもそれがわかりかけてきたのではごわせんか」

『人間学南洲翁遺訓』(渡邉五郎三郎先生著)より

渡邉五郎三郎先生の『人間学南洲翁遺訓』を朗読しています。 今回は、南洲の死に際し、官軍の将 山縣有朋 はなんて言っていたか、 内村鑑三、福沢諭吉、勝海舟、坂本龍馬、副島種臣は、それぞれなんて言っていたかについてご紹介しています。 -- #西郷隆盛 #福沢諭吉や勝海舟 #坂本龍馬 -- ■ここは、神話,百人一首,か...
西郷隆盛の遺訓をシリーズで朗読していきます。 第1回は、南洲翁遺訓が出された背景について、著者の渡邉五郎三郎先生の解説を朗読します。 #西郷隆盛の南洲翁遺訓 #人間学 #渡邉五郎三郎先生 -- ■ここは、神話,百人一首,かるた大会,論語,歴史。古典に親しみ、日本の心を小学生ら次世代に伝えるべく一隅を照らし続けてい...
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